1990年JRに西日本新幹線高速化プロジェクトを立ち上げ、航空機とのシェア争いのため、目標速度は350km/hで
技術的検討を行ってきた。1992年には、WIN350が6両編成で製作され1995年まで試験が続けられた。
1997年 500系として 全9編成(16両編成)が生産された。3月から運行を開始し、山陽新幹線区間(姫路駅以西)
での営業最高速度は300km/hを実現、新大阪駅〜博多駅を最短2時間17分で結んだ。
能力的には営業車両の500系でも350km/h(均衡速度は365km/h)での営業運転が可能であるが、このWIN350で
の試験結果から最高速度を350km/hとした場合パンタグラフから発生する風切り音のため騒音が環境庁(現・環境省)
の騒音基準(線路中央から20メートルで75デシベル以下)を超えてしまうことが判明し、車体傾斜装置が未搭載で
曲線区間通過時の遠心力の問題が未解決であったことも考慮され、300km/hが営業最高速度となった。
今後は、300km/hの高速性能と居住性の両立を目指した後継車種として、JR西日本・JR東海の両社で共同開発
されたN700系車両増備後は、一部が、8両編成化され、山陽区間のこだまに使用される。
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